
共産主義の野望を打ち砕く
ワシントン市民の度肝を抜いた1面特別社説
私はダンベリーを出ると、慌てて公衆電話の前で車を止めた。
私は急いでワシントンタイムズ社に電話をかけた。
その日はよりによって日曜日である。
ところが、幸いにも編集局長アルノー・ドーボルシュグラーブ氏が自分の事務室に来ていた。
私はすぐに文先生の考えを伝えた。
ボルシュグラーブ編集局長は何も言わずにじっと聞いていた。
私の言葉が終わると、彼はこう言った。
「アメリカの新聞の慣例として、社会の公器としての公平性を保持するために、どんなに良いことであっても寄付全活動をすることはできません。
新聞の公言力が落ちます。
しかし、レバレンドームーンの心情と憤りには、私も百パーセント同感です。
われわれはレバレンドームーンを失望させてはいけないのではありませんか?
全責任は私か負って、レバレンドームーンの恨みを解いて差し上げることにしましょう」
私は感激して答えた。

「アルノー。あなたは今この時点で、最も重要な反共の闘士です。どうもありがとう。
レバレンドームーンは今も、獄中においてさえ生命を差し出す覚悟で戦っておられます。
われわれが当面している問題は、個人のことでもなく、会社のことでもなく、レバレンドームーンのことでもなく、国と世界の運命がどうなるかということです」
彼は再び静かに聞いていた。そして出し抜けに、
「見ていてください!私に任せてください」
と吐き出すように言って、電話を切った。
私はそれ以上、二百も言わなかった。
私はアルノー・ドーボルシュグラーブの人となりをよく知っているからである。
第一に、彼は反共闘士である。
第二に、彼は天才的言論人である。
第三に、彼は週刊誌「ニューススウイーク」の上級編集者、首席海外特派員として、約三十年間世界の主要都市を転々とし、数々の不可能と思われたスクープを飛ばして、世界的な名声を得ていた人物である。
彼は誰かの命令を受けて働く人ではない。しかし、彼が決心すれば恐ろしいことをやってのける。
さらに重要なことが一つある。
それは、彼が文鮮明師を非常に尊敬しているという事実である。
私は社長であるが、ボルシュグラーブ氏に何か特定の記事の執筆を命令したことはない。
彼は文鮮明先生と私か意図することを以心伝心で理解できる人間である。
私は彼に編集権を委任した。
彼は万人の反対を押し切って、ワシントンータイムズの編集局長としてやって来た。
彼は文先生を信じ、特にその勝共精神を称賛し、世界共産化を阻止できる指導性を文先生のうちに見出した。
その彼が「見ていてください」と言えば、それ以上望むことはない。
事は起こるようになっている。
その翌日の朝であった。
一九八五年五月六日である。
ワシントン市民は、ワシントンタイムズの朝刊を受け取って驚きの目を見張った。
一面に署名入りの特別社説が出ているではないか。
普通は社説が一面に出ることはない。
しかも、恐ろしくパンチの利いたタイトルが付いていた。
「米議会ができないなら、われわれ自由入がやろう!」
社説は米下院の非愛国的で容共的な仕打ちを各項目ごとに攻撃した。
そして、ニカラグアの自由戦士を救い、アメリカと世界を救うために、ワシントンータイムズは新聞界の慣例を破って、米議会の代わりに千四百万ドルの人道的援助を実施すべく、コ
ントラ支援の寄付金を大々的に募集すると宣言していた。
自由人の自発的献金は、ニカラグア自由戦士を支援するだけでなく、非愛国的、容共的な議員たちに鉄の鞭を加え、彼らを覚醒させることにもなるので、正義と怒りの剣を取って、こぞって寄付金事業に参加せよという檄文であった。
その上で、ワシントンータイムズが第一号として、十万ドルを新設される「ニカラグア自由基金」に寄付ず令ご結んでいた。
以下はその全文である。